とある神官の話
「切られろっ!」
浄化された刃は、魔物などには効果がある。切り上げたレオドーラは幽鬼の腕を切り落とす。そして続けざまにまた切り付ける!
私もたいして使えない剣を手に、言われた通り"見て"いた。
「どうです?何か変なのいましたか。まあみんな変なのですが―――――」
――――おのれ!化け物め…
――――やめろ、まだ子供だろうがっ
馬が嘶く中、ハイネンと距離が開く。待って。一体だけ、"変なの"がいた。変なの。だが幽鬼と同じ格好なのに。それなのに何故といわれたら説明出来ないのだが。
追うようにして雪道を走れば、「おい!」という声。あっと私が急停止したときには既に遅く。背後から走ってきた幽鬼に腕を取られた。温度なんてない、冷たい手。
"見えた"というのだろうか。
それは入り込むように見えたのは、映像だ。だがこれは、これは――――。
炎。死体。叫び声。戸惑いつつ断罪していく人々―――。見慣れた、人。知らない人。どうして?
『シエナ・フィンデル』
「っ」
『お前が鍵を握っている。真実を探せ。断罪せよ。あいつらは何か、企んで――――探せ。お前は知っているはずだ。"彼"がお前に……お前でしか―――』
「どういう……」
幽鬼が絶叫。首が切られたのだ。煙のように目の前で消え去り、変わりに銀髪が揺れた。ゼノンがはっとしてこちらによって「無事ですか!」と聞いてくる。無事だ。無事だが……。
雪が踏み締められる複数の音に、私は振り返った。レオドーラやハイネンらである。辺りを見渡した「大丈夫ですよ」
「あいつら、急に消えやがったんだ。おい大丈夫かよ。顔色悪い――――シエナ?」
"あれ"は?
私が見たあの光景は、何?
あれは、あれは――――。