とある神官の話







「エリート秀才っていったらお前って感じだけどよ、中身は違うだろ?」

「……そうなんでしょうね」





 別に自分は天才でも何でもない。

昔はそんな肩書がついてまわり、興味津々の目が嫌で仕方なかった。見るな見るな、と思った。私は私だと。


 強くなりたくて。守りたいと思うものをちゃんと守れるようになりたくて。私は上を目指した。


 みてくれが良いことは、些か有利なのだと気がついてから、学ぶためにそれを利用したときもあった。気障ったらしい笑みとか浮かべて。いくら相手を殴り倒したくとも本音を殺して。


 私はまわりが思っているような"エリート"ではない。むしろ、不良に近いと私は思う。それでいいんですよ、といったのはジャンネスだったか。







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