とある神官の話








「まあな。ハイネンのことだからピンピンしてると思うんだが」

「ハイネン?」





 聞き返すとランジットは説明してくれた。



 ヨウカハイネン・シュトルハウゼン。



 それがシュトルハウゼン神官の名前だそうで。長いからハイネン、やらハウゼン、やらと省略されることもあるという。なるほど。確かに噛みそうな名前だ。

 何処か変わり者に近い匂いかするのは気のせいか。



 ホットケーキを頬張りつつ、話しを続ける。







「それで」

「夜な夜な、黒い何かがはいずり回る……?」






 その"何か"が、決まって夜姿を見せるという。そして―――吸血するのだと。





< 88 / 796 >

この作品をシェア

pagetop