とある神官の話
「まあな。ハイネンのことだからピンピンしてると思うんだが」
「ハイネン?」
聞き返すとランジットは説明してくれた。
ヨウカハイネン・シュトルハウゼン。
それがシュトルハウゼン神官の名前だそうで。長いからハイネン、やらハウゼン、やらと省略されることもあるという。なるほど。確かに噛みそうな名前だ。
何処か変わり者に近い匂いかするのは気のせいか。
ホットケーキを頬張りつつ、話しを続ける。
「それで」
「夜な夜な、黒い何かがはいずり回る……?」
その"何か"が、決まって夜姿を見せるという。そして―――吸血するのだと。