MoonPrincess
街は絶えず光をはなっている。
私はこの光が好きではない。
月の光を隠してしまうから…
『寒い…。』
そろそろ寒くなってきた。
もう病室に戻ろう。
『…くしゅんっ』
くしゃみが出た。
体の奥から冷える感じがして、
少し怖くなった。
『風邪ひくよ?』
突然、後ろから声がしてあわてて振り返った。
そこに立っていたのは、
背がすごく高くて顔が今まで見た人で
1番綺麗な男の人だった。
『風邪ひくよ?』
その人はもう1度言うと私の肩に
着ていたパーカーをかけてくれた。
…素敵な声。
私はそう思った。