MoonPrincess
少し嗄れてるハスキーな声。
その人は私にパーカーをかけると
テラスのそばに座った。
『入院してるの?』
一瞬、自分に聞かれてるのかわからなくて
ボーっとしたけど
私の他に誰もいないから気がついた。
『あっ 、 はい。』
『いつから?』
『去年からです。』
『そうなんだ。』
知らない人と会話してることが不思議でたまらない。
『あ、そういえば俺 急に話しかけて
不審者だよね』
…不審者?
そんな風には思ってないけど(笑)
『名前、聞いてもいいかな?』
その綺麗な人は、遠慮気味に聞いてきた。
『灰田月姫です。』
『月って…月??』
その人は空を指差して笑った。
『…いえっ、月に姫って書きます。』
よく言われる(笑)
『あっ、そうなんだ?』