お姫様は王子様を演じてる
「……そうですね」
表面上は素知らぬ顔をしつつも脈拍は急速に早くなっていく。
「そんなことより、早く着替えないと遅刻だぞ!!」
急かすように言いながらボスッと音を立てて兵藤はベッドに腰掛けた。
完全に居座る気だ…
だってリラックスして座っちゃってるもの!
何で『そうですね』なんて言っちゃったの私…なんか言い訳は浮かばなかったわけ?
鈍い動きの脳みそを必死でフル回転させながら、極力ゆっくりと着ていたパジャマのボタンを外す。
こうなったら思い切ってガバッと脱いで、すぐワイシャツを着てしまおうか…
私のあるかないかわからない微妙な胸の膨らみなんて兵藤は気づかないかもしれない。
けど、もし…もしも気づかれたら全てが終了になる…
ボタンを全て外し終わり、手持ち無沙汰になった私は何も出来ず佇んでいた。