お姫様は王子様を演じてる



兵藤が部屋を出た後、バタンと大きく音がでるくらい澪は勢いよく扉を閉めた。


「お前…馬鹿だろ?」



これ以上ないんじゃないかってくらい蔑んだ目で私を見ながら言う澪。



「……馬鹿じゃないもん」


「いや、絶対馬鹿だ…大体何で兵藤がお前の部屋にいんだよ…?」



「私が遅刻しそうだったから起こしに来てくれた…みたい…」



「……あのなぁ、俺らは特進だぞ?
遅刻なんてたいした問題じゃない…
ただ、お前が兵藤に目をつけられてんだよ」



澪は苛々したように眉根をぐっと寄せながら言う。



そんな言い方しなくたっていいのに…
澪には関係ない話しでしょう?
私のことなんてほっといてよ!



そう罵ってやりたいけど、ついさっき澪がピンチから助けてくれたのは事実だから強く出れない。



「……兵藤はイカレてるが一応霧ヶ峰の生徒会長だ。そこそこ頭も切れる。
この時期に転校して来る奴なんて珍しい上に四寮に入るなんてこと例外中の例外だからアイツが怪しむのも当然だけどな…」



「じゃあ…もしかして女だって怪しまれてる?」



「……それはないな。
お前を女だと思う要素が一ミリもねえ」



平然とそう言い退けた澪の顔に改心の一撃を入れてやりたい。



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