お姫様は王子様を演じてる
…―――ガチャ
扉の開く音がして私とケイは同時に振りかえると。
「……そいつ誰だよ?」
けだるそうに口を開く黒髪の男の子がいた。
優等生そうな身なりなのに危ない雰囲気を纏っている。
綺麗な顔の一つ、一つが整っていて。
稀に見る美形だった…
ケイを見た時も確かに綺麗だとは思ったけど、彼はもう次元が違う。
女の子の理想を紙に書いたものが現実に飛び出して来たような感じ…
「おい、ケイ…?
聞いてんのか?」
「ああ、今日から入寮して来た真琴だって」
「あぁ…?
入寮?
あのくそ狸、ふざけたことしやがって…」
ますます不機嫌になる黒髪の男の子。
彼の瞳の深い黒色に苛立ちが濃くなっていく。
「今日からよろしくお願いします…
僕は上野 真琴です」
訳もわからないまま、私は少しでも彼の機嫌をとろうと笑顔で挨拶をした。