しあわせうさぎのおはなし


 次の日の朝、いつものように学校に出かける準備をしたくーちゃんはぼくを抱えて外に出ました。昨日の二人のやりとりが鮮明によみがえります。ぼくは言いようのない不安に駆られ、周りを見わたしました。ひさしぶりに見る外の世界は、なんだか昔より色あせて見えました。
 くーちゃんが立ち止まったそこは、ごみ捨て場でした。くーちゃんは少しの間ぼくを眺めた後、ぼくを地面に置いて、走り去ってしまいました。
< 11 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop