甘いケーキは恋の罠
「まあまあ、そんなこと言わないの。みっちゃんはいつまで経っても俺の可愛い妹なんだから。」
そしてまた頭を撫でようとするけんちゃんの手を掴み、舌を出す。
「べーっだ!どうせ、けんちゃんみたいなおじさんから見たら子どもですよー。」
そしてふと、匠さんの事を思い出す。
――彼はけんちゃんよりも年上なんだ…。
「おいおい、まだ俺だってイケてる26歳よ。」
そう言うけんちゃんの言葉も耳から耳へと抜けていく。
――大人になれば年の差なんて関係ないと思っていたけれど、やっぱり私は匠さんから見ると子ども……?
急に黙りこんだ私にけんちゃんは首を傾げて私の顔を覗き込む。
そんな時、前方から私を呼ぶ声がしゆきがやって来た。