佳人な先生
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   手 紙
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桐乎、俺は君に

勉強や資格ではなく

人としての何かを

残すことができただろうか。


時間がないと

急ぐばかりに

君たち生徒に

かなりきつく俺の

考え方を叩き込んでいった。


それでも桐乎だけは

俺を怖がらずに

クラブにも入ってきて

実質2年も一緒に

勉強をしたな。



俺は怖かったか?


ごめんな桐乎。



桐乎に俺の死は

優しく伝わって

いるだろうか。



3年も経てば

俺も気持ちが

落ち着くかと

思っていたが、

変わらなかった。



もしこれを桐乎が

読んでいるのなら

桐乎も変わらなかったのだろう。




俺も桐乎のことが


好きだ。



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