永遠の唄
「ビックリしたああ~!」
なんてつい、叫んでしまった。
健一とは私の兄のことで確かにそうだなと思った。
《はい、そうですよ!!佐藤先輩ですよね?》
《うん!そうそう。俺、鈴木さんの顔知ってる!鈴木さんは俺のこと知ってる?》
【ええええええええッ!?顔知ってるって・・?え?そんな親しくないのに・・?なんで・・?】
なんて心の中で思い、でも何故かその言葉が嬉しく聞こえて、
《はい♪私は知りません♪》
なんて答えを出してしまったら…。
《テンション高いな!鈴木さんは好きな人とかいる?》
《居ませんよ!!佐藤さんは?》
《俺~?鈴木さんがスキ~》
《え!?兄の事好きなんですかッ!?佐藤さんって・・・ホ○?笑’’》
なんて、本気で思ってそのまま打ったら、
《馬路で違うから!妹の方!!!》
《妹って私ですか・・?》
《うん》
《嘘つくの下手ですねw》
なんて、初対面なのに楽しく話せてすごく嬉しかった。佐藤先輩はとても面白い人だった。
そして、調子に乗った私は佐藤先輩にPMを送ることにした。PM(プライベートメッセージ)とは送りたい相手を選んでその相手だけに見えるようにしたメッセージの事で、先輩に送るのはそれが初めてだった。
《佐藤先輩の本当の好きな人って誰ですか??》
《俺?実はな、同じ学年に居て…》
先輩の返答にはそう書かれていて、何故か私には分からないけど、無性に腹が立って自分の気持ちを整理してみた。
今までの事を沢山振り返ってみた。神谷さんの事…。体育祭の練習の後始めてみた姿。
近くにいたいと思ったわけ…。何で話してこんなに楽しいのか…。
【もしかして…私って先輩のこと好きなのかも・・・?】
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