不遜な蜜月
「えっと、残高は・・・・・・それなりにはある、かな」
物欲が低いせいか、無駄遣いはないと思う。
節約らしい節約はしていないけど、光熱費も一人暮らしとしては妥当なお値段。
「実家に戻れば、家賃とかは浮くよね」
ノートに金額を書いて、電卓に手を伸ばす。
(えっと、アルバイトの時給の相場は・・・・・・)
会社勤めが1番理想だけれど、贅沢は言えない。
(実家に生活費を入れて、病院代とか・・・・・・貯金は・・・・・・)
ノートに記した“現実”に、負けそう。
「わかってたけど、お金かかるなぁ」
出産の分はどうにかなるとして、その後の心配が重なる。
「やっぱり、バイトじゃ無理があるし」
買っておいた求人情報誌を取り出し、パラパラとめくる。
「う〜ん・・・・・・あ、彩子かな」