野獣な執事とワンコお嬢様
だけど、それは仕方ない。



龍馬様が白を黒と言えば、俺は白が黒に見える。



彼の存在は絶対だ。



だからもし、琴音から手を引けと言われたら…そうするかもしれない。



龍馬様の部屋に、琴音と美琴様が向かった。



残されたのは、青柳家の男3人。



「マジメにやってるみたいだな、ヒョウ」

「当たり前です。総統括には及びませんが」

「抜かれちゃ困るんだよ。今まで積み上げてきたものを、簡単に愚息になんて譲るわけがない」

「お久しぶりです、総統括」

「元気にやってるみたいで、安心した」



笑ったオヤジに、ホッとした。



てっきり、怒られると思っていたから。



「蓮華さんは元気ですか?」

「日本に来てる。一家で有栖川の屋敷に厄介になるわけにはいかないから、蓮華とアゲハは実家ホテルだ」



俺の母親が日本に来ているらしい。



元気ならいいけど、顔ぐらい合わせときてぇな…。



「龍蔵坊ちゃんのパーティで会えるだろうな」



心を読むな、オヤジ…。



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