野獣な執事とワンコお嬢様
【ヒョウ】



琴音に手を貸すのは執事として当たり前。



やれないことをやってやるのも。



そう思っていたけど、それじゃあ余計に琴音をダメにすると気づけた。



手を貸さず、見守ることは重要で。



困った時には助けてやる程度でいいんだ。



「この髪型カワイイなぁ~」

「髪、巻きましょうか?」

「ん~、自分でやってみるからコツとか教えて?」



ほら、何でも頑張るようになった。



洗った髪を乾かすのは、タイミングが合えばやる。



学校前に琴音が指定した髪型にセットするのはいつも俺だった。



それすら、自分でやり始めてる。



「こんな感じ…?」

「大変お上手です。火傷に気をつけてくださいね?」



今日は緩く巻いた琴音の髪型。



カワイイ…。



まぁ、琴音はストレートでもアップでも、何でも似合うけど。



「さぁて、久しぶりの学校だぁ!!」

「申し訳ございません、靴に汚れが…」

「えっ?あっ、本当だ~」

「靴を脱いでいただけますか?」

「はぁい」



こんなとこは変わらないけど。



< 411 / 500 >

この作品をシェア

pagetop