家元の寵愛≪壱≫


「ごめんなさい……嘘ついて…」



少し潤んだ瞳で俺の手に手をそっと添えた。


重ねられた手の温もりに…

心の苛立ちがスッと消えてゆく。



「じゃあ、アイツは?」

「……白川くん?彼は本当に大学が同じだけで…。玲と同じ学部で、たまたま一緒になっただけです」

「信じていいんだな?」

「はい。……ヤキモチ妬いてくれたんですよね?////」

「ッ!!////べっ、別に…////」



ヤバッ…形勢逆転してるじゃねぇか。



俺が顔を背けると、

ゆのはスッと腰を上げ、

膝立の状態で俺をギュッと抱きしめた。


ゆのの胸に埋もれる形で…。



ゆのの鼓動が聴こえてくる。

彼女の温もりが心地いい。



「嬉しかったです。嫉妬してくれて。だけど…喧嘩は2度としたくないです。隼斗さんが隣りにいてくれないと……私……寝れないみたいです////」

「ッ!!////」


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