Dearest

20・輪廻転生

人は生まれ変わるというけれど

もし本当に“輪廻転生”という言葉が実在するのなら…


俺の願いはただ1つ。





夕食後、リビングでくつろぐエンドロール家。


紅茶を啜るラヴ、煙草を吸うアシュリー、新聞を読むサミュエルは3人仲良くソファに座り、アキは台所で洗い物をしていた。



そんな4人をよそに、レオンはテレビに食いついていた。




「何をそんなに真剣に観てるんですか?レオン」



いつもはお笑い番組か歌番組しか観ないレオンが、珍しく難しそうな教育テレビを観ていた。




「ついに頭おかしくなったのか?つまんねぇから番組変えろよ」

「ダメ!観てんの!!」

「バカには難しいだろ!!」



ギャーギャーと騒がしいリビングに、洗い物を終えたアキがやって来た。




「何、また喧嘩してんのよ」


アキはソファに座る。




「…ねぇ、輪廻転生って何?」



レオンが問うと目を丸くしたラヴが答える。




「何ですか、いきなり」

「テレビで言ってたから気になって。どう言う意味?」

「輪廻転生とは、生まれ変わりという事です。人が死んで体は朽ちても魂は生き続け、何度でも生まれ変わると言われています。それを繰り返す事を輪廻転生と言うんですよ」



ラヴの言葉を真剣に聞くレオン。


そんな2人を見ながらアキは伸びをした。




「はぁ〜今日は疲れたなぁ……って、きゃああああ!!」



アキが伸びをした衝撃でソファが傾き、後ろに倒れた。
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