Fragile~思い出に変わるまで〜
「受付で、急に体調悪かったのか倒れて……

俺、その時ちょうど通りかかって、抱き起こしてソファーに座らせたんです

顔……見たらすぐ部長の奥さんだってわかりました

以前見たときよりも、かなり痩せて……やつれてましたけど」


知らなかった。


そんなことがあったなんて……


「そのあと、さとみさんが帰ろうとしたとき……

部長があやさんと二人で店から出てきたところを俺とさとみさん……見ちゃったんですよ」


――えっ!?


まさか……さとみが?


俺はあの時、さとみになんて言っただろう?


確か……心配すると思って、あやと会ったことを言わなかったんじゃなかったか?


そんな自分の浅はかな考えが、さとみを苦しめていたなんて、思ってもみなかった。


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