彼女のattitude ～学園・非公認的恋愛～

「鳴子……」

鳴子はぱっと目を逸らす。

「日野さんもうまく騙されてたんだわ。彼女の性格は、利用しやすかったでしょうね？」

先輩が冷たく言い放った。

「利用だなんて、違う！シキとは偶然出会って、時々話すようになって……。その男子だったなんて、気づくわけない……！」

誰もわたしの言葉に耳を貸さない。
強引に背中を押され、廊下へ追い出される。

「いい？ずっと、早坂桐から目を離さないこと。ぜったいに！」

先輩はクラスメイトたちに命令する。

「これからはあなたを監視することにした。全校生徒対あなたひとりなんだから、逃げ出せると思わないで」

クラスメイトたちに、前後左右を囲まれる。
鳴子にだけでも、なんとか弁明したかったけど、鳴子は一度もわたしを見ないままだった。

シキ。
史生。

わたしの頭の中では、その名前だけが繰り返されていた。