天を衝く槍
ジューシローと別れて、私達は歩く。
「一階て思うとるかもしれんけど、ここ四階やけね」
彼がエレベーターに乗りながら、唐突に言った。
「え!!?そうなんですか!!?」
「ここ入る時に階段めっちゃのぼったやろ?」
ヨースケは5階のボタンを押した。
「あ…そっか」
「しかし、ソンジュさんも面倒なことしたなぁ」
ドアが閉まって、上昇する。
「あんなにのぼらんでも、川から行きゃあえがったに」
「川?」
「四ヵ所か、三ヶ所くらいやったかな……普段俺らが使う出入口は、川に続く地下水路みたいなもんやけね」
「………え……」
「あっこの長い階段はあんまし使わんよ」
「……………」
私は開いた口が塞がらなかった。
――…あんなに頑張ったのに
このなんともいえない虚脱感はなんだろう。
「なんで、あんなとこに正面玄関みたいなん作ったんやろ…」
彼はポツリと言った。