天を衝く槍
「まぁ、ドボンて船から落っこちても死なんよ」
ヨースケは「心配すな」と言い、腕を組んだ。
「へ?」
「バケモンと闘うんが俺らの仕事」
彼は手合せしている二人を見ながら続ける。
「ウサギは人間の体の構造で勝てる相手じゃない」
「……え…」
私は目を見開く。
――それじゃ…
「セルペンテは人間じゃない…?」
その言葉に、彼は私を見て頷いた。
「まぁ、その話はあとでするわ」
彼は腕を組んでそう言い、笑った。
「よーす、ヨースk――」
声がした方を見てみると、先ほどの金髪と赤毛の子がいたが、金髪は赤毛の子の蹴りを受けて、口をつぐんだ。
金髪の方は男で、細身で背が高い。
私は身長が182cmあるけど、それより高い。
優に190cmは越えているだろう。
髪は肩を超すくらいまで長く、横髪を後頭部でくくっていた。
肌が白く、鼻が高い。
「いってーな、何すんだよ」
そんな彼は、赤毛の女の子に蹴られた脛を押さえて言った。
彼女の蹴りはかなり強烈だったらしく、彼の青い眼に薄っすら涙が出てきていた。
「うっせ、黙ってそこで一生悶絶しとけ」
赤毛の子が吐き捨てた。
どうやら喧嘩中らしい。
背は私よりかなり低く、まるで子供みたいな赤毛の女の子は緑の瞳を持っていた。
彼女の顔を見て、私はあることに気づいた。
顔にソバカスやシミが少ないのだ。
赤毛の人は体質的に、紫外線に対して過敏な為に光線過敏になりやすい。
だから顔のそばかすや体のシミができ易いのだと、私は昔、誰かに教わったことを思い出した。
……ま、いいか。