ブラック王子に狙われて②
「絢、さっきの話の続きだけど…」
「………」
無言で頷く……絢。
「アイツの事が気になるのか?」
「えっ?」
「隠さなくてもいい。アイツが初恋の男なんだろ?」
「えっ……いや、違うって…」
何だか、挙動不審になり始めた。
完全に何かを隠している。
だって、目が泳ぎっ放しだし。
『違う』?
初恋の男じゃ無かったら何なんだ?
サッパリ分かんねぇ。
俺がソファからベッドへ移動しようと
立ち上がっただけなのに、
ビクッと肩を震わせた。
ますます怪しすぎて気になるだろうが。
俺はベッドに腰掛け、
ラグの上に座っている絢に
「絢、ここに座れ」
自分が座っている横を軽く叩く。
絢は躊躇いながらも俺の隣りに。