ブラック王子に狙われて②


俺の視界に絢と見知らぬ男が1人。


しかも、絢の両手を握りしめ、

何だか熱弁している様子。


俺の女に気安く触んなって!!

俺はイラッと来て……


「おいっ、絢!!」


俺は少し声を張って絢を呼ぶと、

俺の声に反応して絢の手を離した男。


その男は振り返り、俺を見据えて



「あっ、神宮寺くんだよねぇ?初めまして。俺、佐伯保尚(やすひさ)、絢の幼馴染」

「へ?……幼馴染って?」

「絢から聞いてないの?この春に戻って来て、この高校に編入したんだよねぇ」



何だか挑発するような視線を向けて来る。

ってか、『絢』って人の女を呼び捨てにすんな!!


絢に視線を移すと気まずそうな表情。

俺は冷静を装って……



「へぇ~そうなんだ。……絢、帰るぞ?」

「あっ、うん」


絢は鞄を手にして、


「やっくん、またね」


佐伯に軽く手を振り、俺のもとへ。


< 7 / 288 >

この作品をシェア

pagetop