Hurly-Burly3 【完】
「でも、ヒヨリンが1人じゃなくなって良かったな!!」
ナル君、お口にお弁当さんが付いてます。
えっと、これは取ってあげるべきだよね。
ナル君に手を伸ばそうとしたらちぃー君が
ナル君のお弁当さんを取ってしまった。
「えっえええ!?」
今のきっとあたしがやるべきところだったよね!!
この小説のヒロインの座は譲らないわよ!!
「何だよ?」
ちぃー君、何そのシレッとしちゃってる感じ。
何も悪気はないですみたいな!!
「コロッケ食うか?」
「もげっ」
ちぃー君、いきなり何をする!!
コロッケを口にぶっつめられて、
喉に詰まらせ咽る。
「ぐほほほっ」
誰か助けて下さい!!
ここにシレッとした殺人鬼居ります。
「馨、ヒヨリンが死んじゃう!!」
ナル君、確かに死にそうだ。
「そうだね、水取りに行かなきゃ。」
バタバタ馨君がキッチンをウロウロする。
「お前何でそんな咽てんだ?」
こ、この野郎!!
お前のせいではないか!!
何知らないフリしてるの!?
その困った天然さどうにかしてくれ。
被害者続出の予感だ。
「ゴホゴホ」
「はい、日和ちゃん。」
ゴホゴホ咳が止まらないあたしに
救世主の馨君がお水を持ってきてくれた。
「うわ~ん、馨君!!
ちぃー君があたしに殺意を持っている~。
軽くお花畑の世界にこんにちわするところだった。」
「おめぇのお花畑はいつものことだろうが。」
慶詩、違うの!
本当にお花畑の一面を垣間見た。