Hurly-Burly3 【完】
お兄ちゃんが映らないんだけどな。
あたしばっかり撮ってるとかどうよ?
『ひーちゃんは何になりたいのかな?』
お兄ちゃんに会いたくなったではないか。
『日和はね、何かになるんじゃなくてね
お兄ちゃんと兄ちゃんや父さんを幸せにするの。』
幼い頃からあたしは家族が大好きだったんだろうな。
『ひーちゃんが幸せになってくれればみんな
幸せになれると思うよ。』
お兄ちゃんは父さんや兄ちゃんに比べて
しっかり者だったよね。
『おいっ、ひーちゃんあそこにゾウさん居るぞ!!』
兄ちゃんっていつもムードをぶち壊しにするよね。
今、ちょっと感動するシーンだったよ!!
『兄ちゃん、それ滑り台・・・・』
『透真あっち行ってろ。』
このムービーを見てたのか。
お兄ちゃんはとんでもないぐらいあたしが
大好きだからしょうがないな。
「何でお兄ちゃん映ってないんだよ!!」
最後に兄ちゃんの逆立ち披露を見せられて
こっちは期待を裏切られた気分だ。
「日和ちゃんデッキが壊れるよ。」
馨君に止められて何とかデッキが
壊れずに済んだ。
「もう一人の方がずっと真面だな。」
「うん、お兄ちゃんは10離れてるけど
ウチの中で一番真面な人だと思う。
シスコンでなければ文句はないと言える。」
お兄ちゃんは働いてるんだもん。
ちゃんと電話をしてくれるよ。
いつも仕事が忙しいのにあたしのことを
心配して電話をくれるのだ。
「お前だけ離れてんだな。」
そうなのよ、ちぃー君。
だからこそ、家の家族はあたしに異常な執念
を持っているのです。
「日和ちゃんを大事に思う気持ちが何となく
分かるような気がしたよ今の見て。」
えっ、そう?
兄ちゃんの逆立ちで!?