Hurly-Burly3 【完】

馨君はクスリと笑うとポンポンと頭を撫でてくれた。

「日和ちゃんは小さい頃から日和ちゃんだったんだね。」

馨君に首を傾げる。

どうなんだろうか?

小さい頃からあたしはあたしだったのかと言われても

しっくりと来ない。

ホームシアターの部屋を出る。

「それって妄想してたからか?」

「うーん、違うかな。」

馨君、一瞬そう思ったんだね。

「じゃあ、何が変わっていないと言うんだ!!

身長はどう見たって変わったぞ。」

「外見じゃないんだけどね。」

な、何だ良かった。

次の部屋をガチャリと開ける。

「うわー、この部屋なかったことにしよう。」

父さんや兄ちゃんから送られてきたものを

とりあえず入れていた部屋だった。

みんなを入れる前にバタンと閉じた。

「何でだよっ、お前の部屋か!?」

慶詩、力強すぎだし!!

「あたしの部屋に興味があるのかね?」

慶詩は急に突き放してきた。

「そんなわけあるか!!」

「はい?今の何ですかね!?」

慶詩、意味不明なんだけども。

「見ても意味不明な部屋だここは・・・」

「ヒヨリン?」

どうしても見たいと言うのなら特別に

見せてやってもいいけどね。

「見たい?」

「うん?」

ナル君がとってもキュートなので

あまり見せたくはない。

「名付けてなんちゃって物置部屋だ。」

もう一度扉を開けたそこは無法地帯だった。

もう民族衣装があったり動物の角が何本も

あったり、とにかく兄ちゃんと父さんが

送りつけてきた絶対に必要ないものが揃っている。

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