Hurly-Burly3 【完】

歌を送ろうとか言ってカセットにめちゃくちゃ

変な歌が録音されていたり、鳥の羽で作った

ブローチとかもうガラクタだらけだ。

「この部屋を人に披露したのは初めてかもしれない。」

サユにさえ、この部屋は見せてない。

見せられるわけがなかった。

「ヒヨリン心が広いんだなっ!!」

ユウヤ、今気付いたのか!?

「最近ようやく送り付けられなくなって

きて安心していたんだ。」

したら、兄ちゃん帰って来ちゃうっていうね。

そりゃ、送られて来ないわけだよ。

「何とも言えねぇなおいっ。」

「何も言わずに去ろうではないか。」

その後、みんな無言だったのは言うまでもない。

次に入ったのは書斎だった。

本がいっぱいですと紹介してすぐに

出て行き、次に入ったのも書庫で

とくに気に入ってる本を紹介して出た。

「お前の部屋どこだよ。」

慶詩そんなにあたしの部屋が気になるのか。

「・・・ふっふっふっ、さぁな。」

みんなは気付いていないだろうが

通り過ぎているのだ。

「ここは兄ちゃんの部屋だ。

漁って行こうではないかね。」

兄ちゃんの部屋の扉を開けた。

「広っ」

ナル君が目を丸くして驚く。

「お前の家随分大きくないか?」

伊織君、あたしもそう思うんだ。

サユの家が一般のお家なんだろうね。

でも、あたしにはこれが一般なのだ。

「日和ちゃんこんなに大きな家で

ずっと1人で暮らしてたんだよね?」

「まぁね。」

だって、もう慣れっこだ。

寂しいなんて思えなかった。

強がりとかそういうんじゃなくてだ。

< 23 / 457 >

この作品をシェア

pagetop