Hurly-Burly3 【完】

「ナル君、掻っ攫っていい?」

この子は何と言う可愛さで見つめて来るんだ。

「お前、何言っちゃってのよ」

伊織君、明らかにあたしを馬鹿にした目で

見ないで欲しい。

ミミズをスコップに乗せて端っこに避ける。

「この可愛さは犯罪級だ!!やはり国家を

揺るがす宇宙人に攫われたらどうするんだ!?」

お前の頭が風邪ひいたんじゃねと言う伊織君。

「ヒヨリン、ナルが困惑してる。」

ユウヤが土を掘ってふかふかにする。

「その前に手を打たないと駄目なんだよ!!」

「俺、お前の頭が心配だわ。」

伊織君、あたしの方を向いて呆れた表情をしても、

女の子が通るとにこやかに表情変えるのやめて!!

「ヒヨリン、宇宙人来るのか!?」

ナル君と一緒にソワソワしていたら慶詩に

軽く小突かれた。

病人だったから気遣われたらしい。

「ナルちゃんをお前の妄想につき合わすんじゃないわよ。」

「そうよ、家のナルちゃんに悪影響なことしないでよね。」

慶詩と伊織君はこの土に埋めてもいいだろうか?

乙女口調になったのは聞き間違いだ。

きっと何かの間違いだ。

青ざめたあたしの顔を見てユウヤがゲラゲラ笑う。

「んで、もう一人の兄貴の名前なんだよ?」

慶詩は何故それを聞きたがるんだ?

「何でそんなこと聞いて来るの?」

「いや、大した意味はない。」

じゃあ、何で唐突に質問してくるんだ?

「朔夜という名前ですが?」

「ほう。」

い、意味が分からない!!

慶詩、何がしたいのだよ。

「やっぱり、あたしは慶詩に何か言ったの?」

変なことを言ったのではあるまいな。

熱に支配された体であたしはあまり記憶も

ないし、変なこと言ってたらどうか忘れて欲しい。

「お前、俺の言ったことは覚えてんのか?」

慶詩の金髪色の髪がさわさわと風に攫われる。

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