Hurly-Burly3 【完】
兄ちゃんは父さんみたいに笑顔の絶えない人で、
あたしとは全く真逆で表情が豊かだ。
「兄ちゃん、安心するんだ!こういう衣装を
結婚する前に着てしまうと婚期が遅れると
いうらしいから、まだまだ先の話だと思う。」
「うん、そうじゃなくても俺はひーちゃんを
ちゃんと幸せに出来るヤツじゃなきゃ認める
つもりないからいいんだ。」
頑固だな、兄ちゃん。
「何それ。それじゃあ、そんな人出てきちゃったら
あたしお嫁に行かなきゃいけなくなるんだよ?」
「そうしたら、兄ちゃんも諦めるよ。」
いつもヘラヘラ笑ってる兄ちゃんが真剣な
瞳で言うからゴクリと息を呑んだ。
「それじゃあ、俺もさーちゃんのところ見に行
こうかな。ひーちゃん、後で記念撮影しような!」
「いや、もうサユと撮ったから。」
「何!?じゃあ、兄ちゃんに送ってな。
待受画面に設定しなきゃだな。」
絶対、送らない。
騒がしく兄ちゃんが出た後はターヤンさんと
やっちゃんさんと話していた7人があたしを見た。
「日和ちゃん、こっちおいで。」
馨君がいつの間にかあたしの傍に来て、
手を差し伸べてくれる。
これが、騎士だよね!!
「そっか、靴履いてなかったんだっけ?」
馨君がしゃがんで足元を見つめる。
「いや、屋上何も転がってないから平気だ。」
椅子を馨君が移動してくれてそこに移動して
座るとやっと落ち着けた。
「日和ちゃん、何が欲しいか考えておいてね。」
「サユリちゃんにもよろしく言っておいてね。」
やっちゃんとターヤンさんはそう言うと早くも
屋上を出て行ってしまった。
「あ、あの、ちぃ君怖い!」
ちぃ君にガン見されて体に穴が開きそう。
「お前、誰だ?」
えっ、今の今でそう来ちゃいます?
みんなに視線を向けるも馨君と京君は
大きなため息を吐いてちぃ君に苦笑いするのだった。
「あたしだ気付け!!」
甘いものばっかり食べて頭可笑しくなっちゃったんじゃないの?
今までの会話聞こえなかったんか!!
この天然さんちぃ君め。
「今時、そんな詐欺は通じねぇ。」
「誰か、ちぃ君の思考回路にトラブル発生したよ!?」
心配でウカウカしてられないよ。
ちぃ君の今後に不安を覚えた。