Hurly-Burly3 【完】
兄ちゃんは半泣きになりながら土下座をした。
もう呆れて何とも言えない。
ため息しか出ないと言うのはこういうこと
なのかもしれない。
「兄ちゃんはひーちゃんが大好きです。
だから、そんなこと言っちゃ駄目です!!」
どうも兄ちゃんはかなりショックを受けた
様子だった。
「分かったから早く服を着てくれよ。」
ジャングル帰りの兄ちゃんのぶっ飛んだ
性格にはもう誰もついて来れないよ。
リビングから兄ちゃんを追い出した。
7年ぶりにとは言え兄ちゃんはパワーアップ
し過ぎて先が思いやられる。
「ヒヨリン、大丈夫?」
「変なものを見てこれでも結構ショックだ!!」
小さい頃と今とでは大違いである。
「日和ちゃん、ドンマイ・・・・」
馨君、あたしはあんなのが兄ちゃんだと
信じたくないよ。
どうせなら、大和さんみたいなお兄さんが
欲しかったですよ。
「伊織君、分かったか!?
兄ちゃんが帰って喜ぶどころかあたしは
今後の生活が不安でしょうがない。」
2人暮らしをするよりか1人暮らしの方が
よっぽどいいよね。
「あー、今のを見る限りでな。」
「だから、あたしが旅に出ようかな・・・」
兄ちゃんが旅に出かけてくれればそれで
いいけどさ、一緒に暮らすとかもう勝手すぎる
こと言ってるからあたしが旅に出かけても良くない!?
「ひーちゃん、どうだい!!
これならいいだろう!?」
こんな兄ちゃんがあたしの兄ちゃん。
「うんうん、今度からちゃんと服を持って行くよ。
うっかり浮かれたあたしが悪かった。
今のは記憶から抹消しよう。」
さっきの光景はリセットボタンを押して
宇宙の彼方へ消えた。