ブルーブラック【番外編】
「ねぇ!百合香ちゃん?」
「は、はい?」
早速朱美が百合香に親しげに話しかけてきた。
朱美はすらりとしたスタイルにショートヘアの出来る女性というイメージだった。
切れ長の目が美人に見えて、だけどにっこりと笑う顔が美人は近寄りづらいというのを感じさせない人だった。
「いくつ?」
「ねぇ?若いよね?羨ましい!!」
朱美の質問に乗っかってきたのは裕美。
彼女は朱美と反対に小柄でふわふわの巻き髪に、丸く大きな目をしていて可愛らしい印象だ。
おそらく朱美と智は英治似で、裕美は弥生似なのだろう。
「に、27になりました···」
「27だってー!!」
「私達にもそんなときがあったのよねぇ!!」
物凄い勢いの姉が、しかも2人いて百合香は動揺する。
すかさず智が割って会話に入るのだが―――