やわらかな夜
「どうしたの?」

固まっている俺にあかりが不思議そうに首を傾げた。

「――その格好…」

ドレスを指差した俺に、
「格好?

…ああ、着替えるのめんどくさかったから店の衣装のまま帰ってきたんだよね。

変かな?」

笑いながら言ったあかりに、
「…店?」

俺は新たな単語に聞き返した。

そもそも店とか衣装って、一体何の話をしているんだ。

俺の頭の中を読んだと言うように、
「週に1、2回程度だけど店で歌ってるの」

あかりが言った。

「――へえ…」

「ああ、シュージが想像してる変なのじゃないから安心して」

「――そんなことじゃないんだよ…」
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