やわらかな夜
呟いた俺の声が聞こえたのか、あかりがまた不思議そうに首を傾げた。

けどこの場で1番不思議に思ってるのは、俺だった。

どうして俺は、こんなことを呟いたのだろう?

あかりは、俺が思っている変な店じゃないと言った。

でも俺がその店を知っている訳じゃない。

だけど、あかりがその格好で何をしていたのかと想像すると、俺の背筋がゾッとした。

何で背筋がゾッとしなきゃならないんだろう?

あかりがどこかへ行って何をしようかなんて、そんなの知ったこっちゃないのに。

「シュージ?」

俺の名前を呼んだあかりの美貌に、客は大人しくしていないだろう。
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