やわらかな夜
マジメ。

優等生。

常識人。

今まで生きてきた人生の中で言われた言葉だが、俺自身はそんな風に自分を思ったことはない。

「お待たせしました」

ウエイトレスがサンドイッチとコーヒーをテーブルのうえに置いた。

「私、修司の答えが出るまで待ってるから。

お昼休みもうそろそろで終わりだから早く食べた方がいいわよ」

有村は席を立つと、その場を離れた。

彼女の姿が見えなくなると、
「――俺は…」

小さな声で呟いた。

本当は、何を望んでいたのだろうか?

彼女と一緒になること――それが俺の望みだったはずだ。
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