ビロードの口づけ 獣の森編


 気さくに話し相手はしてくれたけど、主従として明確な一線を引いていたモモカと違い、ミユは感情も露わでもっと距離が近い気がする。

 主従というより友達のようになれたらいいなと思った。
 それでは今後ミユが人社会で働くためには不利になるのだろうけれど。

 そんな事を考えながら苦笑していると、ミユが居住まいを正して頭を下げた。


「あ、申し訳ありません。私、言葉遣いが砕けすぎだって、よく叱られるんです」

「私が相手の時はそんなに気を遣わなくても大丈夫よ。長い間ひとりで友達もいなかったから、ミユとは仲良くなりたいの」

「いやーん。やっぱり奥様大好きですぅ」


 ミユはニコニコ笑いながら両手で頬を押さえて身をくねらせた。
 やはり感情が豊かでかわいい。
 妹がいたらこんな感じかもしれないと思える。
 ミユとは仲良くなれそうだ。

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