ビロードの口づけ 獣の森編
弱肉強食の獣社会で、繁栄のためにはより優秀な個体を産み育てなければならない。
それは獣たちの遺伝子に刻まれた本能なのだろう。
そして選択権のない男たちは、女に選んでもらうために求愛する。
自分が優秀な男である事をアピールするのだ。
「それって具体的にはどんな事をするの?」
「女の前で人型になって見せるんです」
人型になれて人語を解する者は人社会で働けるので、それだけ生活力がある事をアピールできるのだ。
他には特殊能力を見せたりもするらしい。
それでミユが目の前で人型になったジンを見て勘違いした事がわかった。
「ジン様は王ですから優秀である事は周知の事実です。ジン様の子どもを産みたいと思う女はたくさんいますから、わざわざアピールするわけはないんですけどね」
勘違いした事が恥ずかしくなったのか、ミユは頬を赤らめて頭を掻く。