思春期の恋
学校に近づくと、登校している生徒たちの視線をすごく感じた。
・・・え?舞野さんと麻井くん?
・・・あの二人付き合ってんの?
・・・舞野先輩彼氏いたんだ・・・
いろんな言葉が、私達の横を通り過ぎていった。
「おはようございます!」
校門を通り抜けたところで、
女バスの後輩2人組に挨拶された。
部活の約束で、後輩は先輩に会った時に必ず挨拶をすることになっている。
この子達からは、バレンタインにチョコをもらった。
手紙付きで。
「おはよう・・・」
二人は柊司をじっと見て「かっこいい!」ときゃあきゃあ騒いでから通り過ぎて行った。
「柊司ってもてるでしょ。。」
ん?と柊司は隣から私の顔を覗き込んできた。
「全然。もてないよ」
「嘘だ。かっこいいって言われてんじゃん。
いっぱい告られてるって聞いたし、
剣道やってんの超かっこよかったし・・」
くくくっと隣から笑い声がして、柊司の顔を見ると、
口元に手の甲を当てて笑いをこらえていた。
「なんで、笑ってんのさ!」
「いや・・・ちょっと
嬉しかったから」
ぁあ?
「剣道、見てたんだ」