思春期の恋
やば・・・ばれた。
「見てた・・・かも。。。
剣道着とか、すごいかっこよかった。
練習しているとことか、
本当にかっこよくて・・・」
下駄箱への階段を登ったところで立ち止まった。
「颯子」
名前を呼ばれて立ち止まり、
手を繋いだまま向き合った。
生徒たちがジロジロこっちを見ながら通り過ぎて行った。
「付き合おう、俺たち」
柊司は真剣な表情で、私を真っ直ぐ見てそう言った。
付き合おうって・・・それって、
柊司の彼女になるってことだよね。
柊司が彼氏になるってことだよね。
私だけの柊司に、
したい。
私は大きく頷いた。
すると柊司は、目を細めて、
私の大好きな笑顔を見せた。
「教室まで送るよ」