ガラスダマ
何かあったのかなんて聞かない。
だって、二人は今晩だけの仲だもの。
一一一…
「おはよ」
「…おはよう」
あのあと普通に家に戻ったあたしは翌朝普通に新しい学校…高校へと足を踏み入れた。
学校なんて行きたくはないけれど、高校くらいまではちゃんと卒業しようという意外に持ってた意地。
ちゃんと卒業して就職して、そうしてこの街から出て行くんだ。
どこか遠い街がいい。
誰も知った顔がいない場所。
初日はみんな友達作りに没頭していた。
そんな姿を他人事のように眺めてた。