ガラスダマ
前を向こうとすると、無理矢理肩を掴まれ再び後ろを向かされた。
…面倒くさいのに捕まった。
「ねぇ、名前!」
「…南」
「それ苗字?下は?」
「………瑠衣」
「ルイちゃんかぁ!よろしくねっ」
パーマかかった柔らかそうな髪の毛をフワフワ揺らす。
猫っていうか…やっぱり女の子みたい。
白い肌に長いまつ毛。
女子からしたら羨ましがられるような顔。
そんな事を考えながら、冷めた目で珠をただ見つめた。