ガラスダマ


カーテンの隙間から見える真っ暗な外。

帰らなきゃ珠の親も帰ってきてしまうだろう。


だけど珠のベッドはすごくフカフカで、出るには名残惜しくもなる。

部屋の広さもあたしの部屋の倍以上ある。

想像通りの裕福な家庭のよう。



「何で熱あるのに出歩いてたの?」


何も分からない珠は、あたしの行動が不思議なようで首を傾げた。


「……家にいたくなかったから。でももう帰るよ」


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