ガラスダマ
すぐに部屋をノックされ、女性の声。
玄関に靴があったから気づいたんだろう。
珠が顔を出して説明すると、今度は同じように笑顔の女性が顔を出した。
「こんばんは」
高橋と二人頭を下げる。
ベッドから出ようとすると、今度は珠のお母さんがすぐに止めた。
柔らかくて温かな手。
支えられながら結局また寝かされた。
「お粥でいいかしら?」
「あ、いや…」
いらない。
そう言う前に、笑いながら部屋を出て行った。