ガラスダマ




「…そっくりだね」


「そう?」


母親の温もり。

生まれてから一度だって感じることはできなかった。


羨ましく思う気持ちはもうない…

なんて嘘だった。


今、珠が羨ましくて仕方なくなってる。


その笑顔も腹が立つ。

あたしってまだまだ子供すぎる。



「瑠衣ちゃん?…大丈夫?」


珠があたしの頭を撫でた。


「そんな悲しい顔しないでよ」


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