マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3
「良かった……この本読んでる人、殆どいなくてさ。オレ、センス人よりズレてんじゃないかって心配だったんだ」


そう言う十六夜君は、ほんの少しだけ笑った。


あっ………優しい笑顔。


十六夜君はクールって言うか寡黙でギャーギャー騒ぐタイプじゃないから………中には


『十六夜ってつき合い悪いよなぁ』


『本がお友達なんじゃねぇの?』


とかヒドイ事言う人いるんだけど……そうじゃない。


荷物運ぶの手伝ってくれたし……十六夜君は、優しい人だ。


「そうなんだ。私も周りに語り合える人がいなくて、つまらなかったんだ」
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