Who am l?
私は神崎が寝ているベッドの横の椅子にちょこんと座った。
遠慮がちに右手を神崎の額に当てる。
「……熱い……」
ちょっと感心してしまう。
朝から熱はあったはずなのに、先程までこの人物は普通の表情で普通に喫茶の仕事をしていたのだ。
具合が悪いのを隠していたのだろうか。
…なぜ、隠すのか。
私は気になって仕方がなかった。
近くの窓を見ると、相変わらず人が賑わっている。
私は保健室の薄黄色いカーテンを閉めた。
ベッドの周りのカーテンも閉めて、神崎と私の居る空間が、狭い個室に感じられる。
―――やけに――緊張する。