人気モデルなおの正体。
「また食べにいこーな!」
「おうよ!じゃあな小僧ども」
「お疲れ様です、翔一さん」
「おす!兄貴!」
さよならした後、有志ともさよならして
髪型を戻して、いつもの直也モードに入る。
家は、ごく普通の9階だてマンションの3階。
母とは別居生活だが、生活費には実は困っていなかったり。
マンションのロックを開けて、エレベーターにのって真ん中らへんの自分の部屋まで向かう
目を疑った。
303号室は俺の家。
横の304号室の前で「木山優花」が座っていた
「えっ…!?」
「あれ!?な…谷口くん!?」
木山も吃驚して立ち上がった。
「谷口くんもしかして303号室…?」
「木山さんこそ…」
「ていうか今もう12時前なのに
家の前に座って何してるんだ」
「いや…あの…」
言いにくそうにためる木山。
「鍵を…学校に忘れちゃったみたいで…。気づいたの遅くて取りに帰った時には学校閉まっててさー」
へらへら笑って答えた
「じゃあ明日になるまでここにいるつもりだったの?」
「ここしかないんだよー、私一人暮らしなんだもん」
木山は人気ものなんだから、友達にでも一晩とめてと言えば解決できそうなのに、
なんて言葉は飲み込んだ。
マンションだからといって何があるか解らないところに
女の子一人なんて、これはダメだ
「何かあったら大変だから、俺の家きなよ」
「え!?大丈夫だよ!」
「大丈夫じゃないだろ。それにどうせ横だし」
少し間が空いたら、木山が照れたようにへらっと笑った。