ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~
†*†*† 遼side †*†*†


梓が俺の腕の中で寝返りを打ち、ぴたっと身体を寄せた温もりで目が覚めた。
今までに感じたことのない幸せに包まれながら、梓の前髪をかき分けキスを落とす。
小さな寝息を立てて眠っているのに、くすぐったそうに首をすぼめる仕草が可愛くて、ぎゅっと力強く抱きしめてしまった。

「うぅん……」

一瞬苦しそうに顔を歪ませたが、また穏やかな顔に戻るとスースーと寝息を立て始めた。

「激しすぎたか……」

一向に起きる気配のない梓を見て昨晩のことを思い出し、苦笑してしまう。

梓と朝を迎えるのは、今朝で二度目。
あの時はまだ契約上の恋人で事情が違い、手を出すことが出来なかった。
好きな女を目の前にして、ただ抱きしめて眠るだけなんて……。
まるで拷問を受けているような気分で全く寝た気がしなかったが、今日は全然違う。
少し張り切りすぎて身体は疲れているが、それ以上に充実感に満たされてぐっすり心地よく眠れた。
そして目を覚ませば、隣には愛しい梓が眠っている。

「最高の朝だな」

もう一度軽く抱きしめると、胸のあたりまで掛かっていた布団がはだけた。
カーテン越しに朝の陽の光が差し込んだ部屋に、梓の絹のような白い肌が露わになった。
そこかしこに無数の紅い痣が目に入り、自分の節操の無さに頭を掻く。
その一つ一つを指でなぞれば、梓が自分のモノになったという征服感に包まれ、思わずニヤリと笑みを漏らしてしまった。

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