ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~
†*†*† 梓side †*†*†

ホテルを出た車は、日曜のまだ比較的空いてる道を順調に走っていた。
車の後部座席に置いたパンの入った袋からは香ばしい匂いが漂い、車の狭い空間をその匂いで充満させている。

車に乗った時に握られた手は未だ離してはもらえず、離そうとモソッと動かせばその戒めは更に強くなった。

思い返してみれば、昨晩もそうだったかもしれない。
彼の激しすぎる愛撫にイヤイヤと身を離そうとすれば、その責めは一層激しさを極めた。

もちろん今もそうだが、本当に嫌だったわけじゃない。
手を離そうとしているのは、彼が運転中で危ないと思ったから。
昨晩身を離そうとしたのは、その快楽に溺れてしまいそうだったからで……。

遼さんの束縛心足るや否や、かなりのものだと知ってしまったわけだが、嬉しいような、困ったような……。

それでも好きなものはしょうがない。
遼さんにされることは、何でも受け入れてしまう自分がいた。

その証拠が、この身体の痛みだった。
久しぶりの身体に、この仕打はないでしょ? と言うくらい、身体の節々は痛み、その中心部分は鈍痛を伴っていた。
朝起きたばかりの時に比べれば、幾分楽になってはいるけど……。
お腹に手を当てその痛みを感じていると、愛された証拠なんだと顔が緩んでしまった。
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