菜の花の君へ
(なんで、僕はこんな説明してるんだろう。
女なんてわずらわしいだけなのに・・・。
会うことがもうないってもともとここにいる人たちは一期一会なのがあたりまえじゃないか。)


「出会いはあんまりだったけど、こういう縁ってめったにないし、もっとお話ししたいこともあったのに。
仕方ないですね~寝てしまった私が悪いんだもん。

あっ、私は湯河直弥先輩のボランティアさんのサークルに入らせてもらったのでもしかしたら、そっちの活動で会えるかも・・・なんちって。」



京田の考える時間を一切無視するように智香子はしゃべっていた。


「湯河って・・・僕らの研究費の寄付もしてくれてるお金持ちの息子だっけか。
そっか、あの会に君も入らされたんだ。」



「君も・・・ってもしかして。京田さんも?」



「あ、ああ。僕は施設の人たちが使う畑とか水の調査でね・・・。」



「やったぁ!じゃ、また会えるね。
それじゃ、私、いったん家もどってまた登校します。
講義ちゃんと出ますね。」



「うん、駅まで送るよ。」



(そんなにうれしそうに楽しみにされたら、僕は・・・。)
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