君と、世界の果てで
今度は目玉を、スナメリにするのか。
それとも、代わりのシャチをいれるのか。
まだ、決まっていないのかもしれない。
ぼんやり、そんな事を思った。
「原因不明の死、なんですって」
「へぇ……」
寂しそうな深音の横顔が、胸を苦しくさせる。
「すぐ、代わりが入っちゃうんですね。
WORLDS ENDも、あたしが死んだら、すぐ他のボーカルが入るんだろうな」
「縁起でもない事言うな」
「いいんです。
あたしだって、すぐ新しいベーシストを見つけちゃったんだから。
人は、そうやって穴を埋めながら生きていくものだから」
オイオイ。
周り一面青いからといって、お前までブルーになってどうする。
「……コラ。いい加減にしないと、手、離すぞ」
「あ、ウソ。ちょっと、頭が良いフリをしてみたかっただけ」
「ヨシ。行くぞ」
俺は深音の手をひいて、ゆっくりと、スナメリの水槽から離れた。